ケアマネさんより、一人の利用者さんについて、相談がありました。
80歳の男性で、透析に週三回通っています。1階がお店になっている為、2階に家族みんなで住んでいます。問題は、2階と1階をつなぐ階段です。45度以上はあり、下から見たら、まるで絶壁のようです。しかも、階段幅は、横も縦も狭く、とても、自分の足さえも、きちんと乗る事が出来ないほどの狭い階段です。今までは、手すりを持ち、家族の方に見守られながら、なんとかご自分で階段を上がったり降りたりすることが出来ていました。
それが、先週肺炎にかかって入院となり、すっかり足腰が弱ってしまい、今日の透析では、家族4人で、抱えながら、階段を移動しました。今後毎日、同じ対応をする事は不可能で、でも、入院をしたくないと訴えるおじいちゃんの為に、なんとか、助けてほしいいと相談がありました。まごころランドに頼んで、それでも無理なら、透析を諦めようとまで、家族の人たちは、決心していました。
今までも、さまざまな困難なケースに立ち向かって来た私達です。今回もきっとなんとかなると思いながら、朝7時20分、ヘルパー4人で、介助へと向かいました。
「おはようございます。病院から、お迎えに来ました」
との声掛けに、拒否もなく、すんなりと車いすに移ってくれました。階段の間際まで来たものの、やはり立つことが出来ず、結局、ヘルパー3人がかりで、階段を一段ずつ、降ろしました。帰りは、1時30分頃か・・・病院からの連絡に、男性ヘルパー4人が急行し、同じように、3人がかりでお部屋まで、介助をしました。
お部屋にお連れした後、ケアマネさんも入り、いろいろ階段を降ろす方法を、検討してみましたが、結局は、あまりいい案は見つかりませんでした。
このままでは、みんなが、腰を痛めてしまう・・・でも、なんとか助けたい・・・・
何かいい方法がないかと、みんなでミーティングをし、意見を出し合いました。
福祉用具のカタログも見ながら、なんとかあの階段に利用できるものがないかと、相談しました。
その結果、まごころランドの倉庫にいい物が眠っている事を思い出しました。
私の長男の翔平が以前に使っていた、大人用のバギーです。これなら、あの狭い階段に車輪が乗るので、バギーに乗った状態で、二人で降ろす事が可能かもしれない
思い出した事がうれしくて、金曜日に遅くまで、何度もみんなで、予行練習をしました。
後は、月曜日に行くのを待つだけ・・・
でも、土曜日にその方は、突然、亡くなられてしまいました。
最後まで、おうちでと、ご本人も、ご家族も希望されていました。突然の事で、全く苦しまずに旅立たれたと聞き、よかったと、心から思います。
実際に支援までは至りませんでしたが、ミーティングを重ね、その方の為に、一生懸命みんなで考えた事は、私達、まごころランドの財産です。
心からご冥福をお祈りいたします。本当にありがとう